割と今さらな気もするのだが、ちょっと気になった記事。
【伊達淳一のデジタルでいこう!】デジタル一眼6機種画質対決
問題なのは、最初の
※テスト1「オート撮影」
について。

特に、D90は明らかな露出オーバーと、ホワイトバランスがアンバー方向に多少寄っているのが合わさって、非常に不自然な描写になっている。

とあるが、申し訳ないが、正直なところこれで伊達氏に対する信頼度ががた落ちになったと言わざるを得ない。
確かに、ここに上げられた作例の中ではD90だけが明らかに他と違った描写になっていることは間違いない。
だが果たして、不自然なのはどちらの方だろうか?

K20Dだけは、カスタムイメージ「ナチュラル」のシャープネスを、ファインシャープネスに変更している(強度は変更していない)。ペンタびいきですから(笑)。

などとおっしゃられている伊達氏とペンタ好きな方には悪いが、ハッキリ言えば、最も不自然なのはそのK20Dだと言わざるを得ない。並んでα350だ。この二つの作例はどう見ても青フィルターでも上からかけたかのように全体が極めて不自然に青くなっている。空や緑が異常に濃い上に、ビルまで青いのだからどうしようもない。次いでは50Dの空の色が赤みが乗って紫がかっている。
他は比較的まともだと感じるが、これらの作例を見る上でまずは考えてみてもらいたい。
「秋の緑はこんなにも濃く鮮やかだろうか?」
ということを。
また、写真をやっている人なら、「青空を青く撮ることの難しさ」というのを知っている人も多いと思う。
むしろ、あえて挑発的に極論で言わせて頂くなら、これらのサンプルの中では唯一……とまでは言うまいが、D90こそが最も秋らしく、自然な描写をしているのではないだろうか?
少なくとも自分にはそう見える。やや明るく黄色味の出始めた緑色、柔らかく暖かな紅葉、白いビル。露出がややオーバー目であることは間違いないにせよ、私の目には、D90のサンプルが最も好ましい色を再現していると感じられる。他のサンプルは、空の色を青く演出するために全体を暗くし過ぎているのではないかとさえ感じられる。
無論、E520などは空の青さと全体のバランスがかなり良く取れているので、どこに比重を置いて評価するかによってはこちらを好む人は当然ながら多いと思うが……


記事が出てからずいぶん経った今になってあえてこういうことを書くのは、この記事が出て以来、雨後の竹の子のごとくこれをネタにした馬鹿馬鹿しいまでのD90叩きがあちこちで出てきているので、それに対して思っていることを書いておきたい、ということ。
実際、この記事で叩いている連中は、本当にここに上げられている作例さえ、ちゃんと自分の目で見て判断しているのか極めて疑問だと思わざるをえない、と言っておこう。
無論、それぞれに好みはあると思うが、記事の文章に惑わされず、虚心になって見て頂きたい。「あなたの目には、どれが一番自然に見えますか?」


少なくとも自分の目には、「D90が不自然に」だけは見えませんでした。